抄録
光照射出力がレジンセメントとセラミックの接着強さに対する影響についてワイブル係数を用い評価した.2つのデュアルキュア型接着性レジンセメント[バナビアF 2.0(クラレ,A),ビスタイトII(トクヤマデンタル,B)]の円柱状試料にハロゲンランプにて300と800mW/cm²の光照射を行い,セラミックプレートに接着した.光照射を行ない試料をコントロールとした.練和開始後10分と24時間のセメントのせん断接着強さを測定し,ワイブル係数を算出した.ワイブル係数はセメントAの800mW/cm²で顕著に増加した.セメントBでは時間の経過とともにワイブル係数は減少する傾向を示した.デュアルキュア型接着性レジンセメントの製品によっては,光照射がセラミックに対する初期の接着強さのばらつきを抑制するものもあった.