歯科材料・器械
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原著
新規低粘性歯科用ベースモノマーの合成と重合体の機械的性質の評価
宮坂 平岡村 弘行
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2009 年 28 巻 6 号 p. 402-410

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抄録

コンポジットレジンおよび接着性レジンのベースモノマーとして,低粘度のモノマーを合成し,歯科応用することを目的として,合成したモノマーについて基礎的研究を行った.bis-GMAの中央部のメチル基の1つまたは両方を水素原子に置換して分子構造の剛直さを緩和したモノマーとして,1,1-ビス[4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイロキシ-プロポキシ)フェニル]エタン(以下,モノマーI)およびビス[4-(2-ヒドロキシ3-メタクリロイロキシ-プロポキシ)フェニル]メタン(以下,モノマーII)を合成し,これらのモノマーの粘度を調べ,続いてこれらのモノマーの光重合体について機械的性質を調べた結果,以下の結論を得た.1)モノマーIおよびモノマーIIは,Bis-GMAに比べて極めて小さな粘度を示した.2)モノマーIおよびモノマーIIは,通常の光重合開始剤系で重合硬化させることが可能であった.3)モノマーIの重合体は,Bis-GMA+TEGDMAの混合モノマーと同等の機械的強度を示したが,モノマーIIの重合体は極めて小さい機械的強度となった.以上のことから,モノマーIは,コンポジットレジンや接着剤のベースモノマーとして有望であると結論された.

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© 2009 一般社団法人 日本歯科理工学会
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