歯科材料・器械
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原著
非貴金属系合金の研削に関する研究(第2報)
宮川 修渡辺 孝一大川 成剛中野 周二塩川 延洋小林 正義田村 久司
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1986 年 5 巻 5 号 p. 674-684

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抄録

Co-Cr合金を被削材として, 市販のビトリファイド系ホィール3種と, CBNとダイヤモンド砥粒の試作電着ホィールの研削性能を検討した.また, AE, マンドレールのふれまわり, および, ハンドピースと万力の振動を解析して研削挙動を考察し, 以下の結果を得た.1)単位時間あたりの削除量は送り速度にたいしてほぼ直線的に増加した.2)電着ホィールはこの直線の傾きが大きく, 送り速度を大きくするのが能率向上に極めて効果的である.3)ビトリファイド系ホイールは, 回転数が小く, 送り速度が大きいほどホィールの逃げが顕著で, 電着ホィールとの性能の差が大きくなる.4)同じアルミナ砥粒でも砥石構成要素の違いで研削性能に差が認められた.5)ハンドピースの振動のうなりのため研削面に規則的なうねりが生じた.6)ホィールの振れのために, 研削は回転数に対応する一定周期で断続的になされる.ホィールを取り付ける際の偏心が大きいと実質的な研削時間が短くなり, 削除量は少なくなる.

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© 1986 一般社団法人 日本歯科理工学会
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