歯科材料・器械
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原著
歯科用合金の複合研削に関する研究
玉置 幸道
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1986 年 5 巻 6 号 p. 804-811

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抄録
 新しく開発した導電性炭化チタン研削ホイールを用いて, 3種の歯科用合金 (Co-Cr系合金, Ni-Cr系合金, Ag-In系合金) の研削を行なった.ホイールの周速や研削荷重を変えて, 複合研削と機械研削の両方を行ない, 研削量に及ぼす影響を検討し, 同時に研削面の観察を行なった.
 すべての合金の研削量は, 研削方法, 周速, 荷重により有意に影響を受けており, 複合研削の方が機械研削よりも大きい研削量を示した.
 複合研削による研削量は, 周速が250〜750 m/minまでは周速と共に増加するが, 周速が1000 m/minになると逆に減少した.
 荷重150 g, 周速750 m/minの条件でNo. 4の研削ホイールを用いて複合研削した時に, 最も大きい研削量が得られた.そしてこの条件での研削面性状も優れていることが認められた.
 複合研削は, 歯科用合金の研削, 研磨工程の短縮に有効であるものと考えられた.
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© 1986 一般社団法人 日本歯科理工学会
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