歯科材料・器械
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原著
カルシア系鋳型材を用いたチタン鋳造に関する研究  (第3報) 鋳型材の粒度配合が鋳造体表面性状に及ぼす影響
宮崎 隆玉置 幸道鈴木 暎宮治 俊幸
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1988 年 7 巻 5 号 p. 736-740

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抄録
3種類の電融カルシア粉末(100〜200メッシュ, 200〜325メッシュ, 325メッシュ以下)を粒度配合して, 7種類の鋳型材を試作し, 操作性, 硬化体の強さ, チタン鋳造体の表面性状などを検討した. 325メッシュ以下の細かい粉末を75〜90%, 200〜325メッシュの粉末を5〜15%, 100〜200メッシュの粗い粉末を5〜10%配合した鋳型材が結合材のメタノールとの操作性が良く, 23℃に24時間保存すると完全に硬化した. この配合の鋳型材の生型強さは9.1〜10.5 MPa, 焼成強さは10.0〜10.9 MPaであった.全ての試作鋳型材を用いた純チタン鋳造体は,鋳型温度が1,000℃と高いにもかかわらず鋳型との焼き付きがなく,金属光沢のある表面性状を示した.特に325メッシュ以下の粉末を75〜90%配合した鋳型材を用いた鋳造体の表面性状は,中心線平均粗さが1.07〜1.14µmであり非常に良好であった.
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© 1988 一般社団法人 日本歯科理工学会
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