抄録
3種類の電融カルシア粉末(100〜200メッシュ, 200〜325メッシュ, 325メッシュ以下)を粒度配合して, 7種類の鋳型材を試作し, 操作性, 硬化体の強さ, チタン鋳造体の表面性状などを検討した. 325メッシュ以下の細かい粉末を75〜90%, 200〜325メッシュの粉末を5〜15%, 100〜200メッシュの粗い粉末を5〜10%配合した鋳型材が結合材のメタノールとの操作性が良く, 23℃に24時間保存すると完全に硬化した. この配合の鋳型材の生型強さは9.1〜10.5 MPa, 焼成強さは10.0〜10.9 MPaであった.全ての試作鋳型材を用いた純チタン鋳造体は,鋳型温度が1,000℃と高いにもかかわらず鋳型との焼き付きがなく,金属光沢のある表面性状を示した.特に325メッシュ以下の粉末を75〜90%配合した鋳型材を用いた鋳造体の表面性状は,中心線平均粗さが1.07〜1.14µmであり非常に良好であった.