抄録
本研究は, 複合電析処理された歯科用合金(金合金およびNi-Cr合金)に対する接着性レジンの接着耐久性をSn電析処理法と比較検討したものである.接着耐久性は熱サイクリング試験, 70℃と100℃水中試験および各種腐食液(pH3, 7, 9)に浸漬して検討した.その結果, 複合電析処理およびSn電析の初期接着強さはいずれも450〜500kgf/cm2と高い値を示したが, 耐久性試験ではSn電析処理で初期強さの約60%, 複合電析処理の場合は, TMSAC/Sn複合電析処理で80%, PVC含有複合電析処理で90%以上であった.また, pHの異なる各種腐食液中での耐食性の影響も同一傾向であった.