超音波画像診断装置を用いた筋厚測定は低侵襲かつ簡便であり実用性が高いが,測定精度を担保するためにプローブによる対象筋への圧迫力を統一する必要がある.本研究の目的は超音波画像診断装置を用いた筋厚測定の信頼性にプローブ圧のモニタリングの定量化が及ぼす影響について検討することである.健常成人11名の両側の大腿直筋を対象として筋厚測定の日間信頼性を調査した.各対象者の両側の大腿直筋をモニタリング条件(M条件)と非モニタリング条件(N条件)の2条件に無作為に割り付け,各条件の日間信頼性を統計学的に解析した.検者内級内相関係数(ICC:Intraclass Correlation Coefficient)はM条件で0.96,N条件で0.84であった.95%最小可検変化量(MDC95:Minimal Detectable Change)はM条件で0.86 mm,N条件で2.2 mmであった.ICC,MDC95のいずれの指標においてもM条件が良好な精度を示した.超音波画像診断装置を用いた筋厚測定においてプローブ圧のモニタリングの定量化が検者内信頼性を向上する可能性が示唆された.