2022 年 29 巻 1 号 p. 48-54
【目的】変形性膝関節症(以下,膝OA)における鵞足症状に対する超音波療法(以下,UST)の有効性を検討することとした.【方法】対象は,膝OAに伴う鵞足症状ありと判断された34例とした.34例は無作為に介入群,プラセボ群に振り分けられ,パフォーマンス評価(10 m歩行,起立着座,階段昇降)における所要時間,疼痛(VAS)がUST施行前後で評価された.【結果】二元配置分散分析の結果,階段昇降VASで交互作用を認めた.事後検定では,介入群で10 m歩行時間,起立着座時間・VAS,階段昇降時間・VASで有意に減少,プラセボ群で階段昇降時間が有意に減少した.【考察】膝OAにおける鵞足症状に対してUSTを施行すると,階段昇降時の疼痛が減少すると考えられた.また,動作速度(歩行,起立着座,階段昇降)が改善し,疼痛(起立着座,階段昇降)が介入群で軽減する可能性が考えられた.