2022 年 29 巻 1 号 p. 01-05
理学療法士が活躍している医療や介護の現場において,ロボットの開発,導入,活用が積極的に進められている.それらロボットの総称としては,活動支援ロボットという単語が用いられている.しかし,使用場所,支援内容,対象者などが異なるため,機器の利活用や選択の要点も異なる.本稿ではまず,自立支援,練習支援,介護支援の各ロボットについて要点をまとめた後,医療分野に焦点を当て,自立支援ロボットと練習支援ロボットの実例を取り上げる.あわせて,ロボットの開発段階や製品化後の改良段階において,理学療法士の関与が極めて重要である点についても触れる.これらロボットの使用者は,理学療法士とともに活用方法を学ぶ患者もしくは理学療法士自身であり,ロボットが支援すべき場面や内容などについて具体的に助言することで,ロボットの開発や改良に大きな貢献ができると考える.