物理療法科学
Online ISSN : 2758-1063
Print ISSN : 2188-9805
原 著
非術側高強度高周波TENSが大腿骨近位部骨折術後運動時痛に与える即時的影響
─予備的研究─
佐藤 雅浩瀧口 述弘徳田 光紀庄本 康治
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 29 巻 1 号 p. 65-71

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抄録

経皮的電気神経刺激(Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation:TENS)は電気刺激を用いた非薬物的鎮痛手段である.最大耐性強度で実施する高強度高周波(High intensity, high frequency:HI-HF)TENSは,数分間の実施で広汎性の鎮痛効果が得られるとされており,疼痛部位と離れた部位への刺激によっても鎮痛効果が得られる可能性がある.そのため,手術の影響を受けにくい非手術側へのHI-HF TENSの実施によっても術側の鎮痛効果が得られると考えた.本研究では大腿骨頸部骨折術後患者の運動時痛に対して,手術の影響を受けにくい非術側にHI-HF TENSを実施し,即時的な鎮痛効果を検討することを目的に実施した.大腿骨頸部骨折術後患者6名に対し術後翌日より1週間,HI-HF TENSを非術側へ実施した.実施前後で運動時痛が即時的に軽減した.非術側へのHI-HF TENSは術後の運動時痛を軽減する可能性が示唆された.

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© 2022 一般社団法人 日本物理療法学会

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