2024 年 31 巻 1 号 p. 50-58
目的:ベルト電極式骨格筋電気刺激法(B-SES)を実施した際の呼吸・循環動態を測定し,B-SESの安全性を考察することを目的とした.方法:健常成人男性12名に心肺運動負荷試験を実施し,最高酸素摂取量(peak VO2)を測定した.また,20分間のB-SESを実施し,呼吸数,酸素摂取量(VO2),経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2),脈拍数,血圧を測定した.結果:1名の対象者が中止基準により解析から除外された.B-SES中の最高VO2は平均11.2 ml/kg/minであり,代謝当量は平均3.2 METsであった.開始2-6,8,9,11,14分のVO2と開始5,10分の収縮期血圧は安静時と比較して有意な増加を認めた.呼吸数最高/最低値,VO2最高値,SpO2最低値,脈拍数最高値,収縮期血圧最高値は安静時と比較して有意差を認めた.peak VO2と呼吸・循環動態に有意な相関を認めなかった.結論:呼吸・循環動の変動は認められたものの運動中止が必要なレベルではなく,適切なリスク管理下であれば安全に活用できると考える.