抄録
本研究は,単学級に在籍する児童のスクールモラールの縦断的変化について,心理教育的援助サービスの段階を考慮し検討した。小学校1校の児童88名 (4年生男子16名,女子15名,5年生男子13名,女子16名,6年生男子13名,女子15名)を対象とした。心理教育的援助サービスの段階を把握するために,学級生活満足度により4群に分類し,スクールモラールとの関連について検討した。結果,学級生活満足群,学級生活不満足群の児童のスクールモラールについては,縦断的な変化は認められなかった。非承認群では友人関係,侵害行為認知群では友人関係と学級の雰囲気に,それぞれ縦断的な変化が認められた。以上より,単学級に在籍する児童への心理教育的援助を実施する際には,単学級という教育環境の特徴を考慮した上で,心理教育的援助サービスの段階に応じた援助の計画,実施が求められることが示唆された。具体的には,一次的援助サービスとしてスクールモラールの低下の予防,二次的援助サービスとして集団活動場面や対人関係面での援助,そして,三次的援助サービスとして個別に特別な援助,などが挙げられる。これらを踏まえ,心理教育的援助サービスの段階ごとの援助の方向性について議論がなされた。