抄録
本研究は,スクールカウンセラー(以下,SC)の活動をアドボカシーの視点から捉え直すこと,加えて経験年数による違いを整理することにより,SCがどのようにアドボカシーを実践しているかその現状と課題を明らかにすることを目的とした。SC10名を対象に6領域モデルに沿ってインタビュー調査を行い,得られたデータについても6領域モデルのカテゴリーである【クライエント(Client,以下Cl)のエンパワメント】【Clのためのアドボカシー】【組織との連携】【システムへのアドボカシー】【みんなで起こすアクション】【社会・政治的アドボカシー】に沿って分類を試みた。これらに加えて【抑制要因】【促進要因】の2カテゴリーが得られ,計8カテゴリーとなった。ミクロレベルで発揮されているSCの専門性はメゾレベルでも十分に応用可能であるものの,マクロレベルの取り組みは不十分であり,その取り組みには経験年数に応じた違いがみられた。今後,実践を抑制する要因を加味した研修及びトレーニングの必要性が示唆された。