教育カウンセリング研究
Online ISSN : 2433-751X
Print ISSN : 2185-4467
学校教育現場における問題行動への教師による介入に関する研究動向の検討――非社会的行動に焦点を当てて――
小西 一博
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2019 年 9 巻 1 号 p. 45-51

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抄録
本研究では,我が国の学校教育現場における非社会的行動に焦点を当て,特別な支援を要する小・中学生 への教師による介入事例の成果を整理した。分析対象(学齢・障害の有無等),非社会的行動の種類,技法ご とにカテゴリ間の度数や効果の大きさについて検討した。その結果,学齢では「小学生」と「中学生」の差は なく介入事例が積まれているが,障害の有無では「定型発達の子ども」,問題行動では「不登校に関するもの」, 技法では来談者中心主義的アプローチにおいて多く実践されていることがχ2検定で明らかになった。一方, カテゴリ間の効果の大きさについては差異が見られなかった。しかし,報告されている研究の度数や効果量 の数が多くないために,十分に検討できたとは言い難いところがある。今後は各学校で刊行されている紀要 等を含め,より幅広く研究を収集し,再検討すべきであろう。
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© 2019 日本教育カウンセリング学会
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