体外循環技術
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研究論文
体外循環中のPao2と循環血液中のステロイドホルモンの関係
石田 沙織豊崎 正人石川 隆志山内 章弘山本 賢梶原 梨穂香山城 知明杉浦 美佐子日比谷 信伊藤 康宏
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2013 年 40 巻 1 号 p. 7-13

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抄録
副腎皮質ホルモンや性ホルモンなどのステロイドホルモンはストレスの指標として評価されることが多い。また、体外循環中の高酸素状態によるラジカル発生にも対応していると考えられるが、体外循環中のステロイドホルモンに関する報告はほとんどない。今回我々はアンドロゲンに由来するステロイドホルモンが体外循環中に増減する条件を検討した。2011年5月から2011年7月までに待機的に単独大動脈置換術を施行した8例を対象とし、麻酔導入後、体外循環開始後、復温開始時、大動脈遮断解除後、硫酸プロタミン投与後のデヒドロエピアンドロステロン硫酸抱合体(DHEAs)、アンドロステンジオン、テストステロン、エストラジオールの血中濃度と、血液中の溶存ガス量とを比較検討した。その結果、pH・Paco2・HCO3-(BE)、Cao2(Sao2)との因果関係は認められなかったが、DHEAsとテストステロンでは血中濃度が高いほど血液中のPao2が低く、アンドロステンジオンとエストラジオールでも同様の傾向が認められ、ステロイドホルモンの血中濃度が体外循環中のPao2と関係する可能性が示唆された。
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© 2013 一般社団法人 日本体外循環技術医学会
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