体外循環技術
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原著
  • Atsushi Nakamura, Masahiro Kikuta
    2019 年 46 巻 2 号 p. 119-124
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/03
    ジャーナル フリー

    Microbubbles inside a cardiopulmonary bypass circuit are captured by a venous reservoir or by the artificial lung, and ultimately, an arterial line filter (ALF) prevents gaseous micro-emboli (GME) from getting injected into the patient’s body. In our study using ALFs with pore sizes of 40 μm (PS40) and 20 μm (PS20), bubbles with a mean bubble diameter of 50 μm, 100 μm, and 180 μm were injected into the ALF. Arterial line filter GME removal was examined using different bubble sizes.

    In the bubble group with various bubble sizes, the number of bubbles and the rate of bubble removal were determined for 50 μm bubbles (PS40=44.5±0.7%, PS20=56.1±0.6%, P<0.001), 100 μm bubbles (PS40=13.7±1.9%, PS20=9.9±3.8%, P=0.205), and 180 μm bubbles (PS40=-7.0±1.5%, PS20=-29.3±1.8%, P<0.001). Air bubble shrinkage and bubble volume removal rates were significantly higher with PS20.

    The bubble’s internal pressure becomes lower as the bubble size is larger, which suggests that air bubbles can easily change shape and disrupt. This suggests that GME removal capability increases when all microbubbles that flow into the ALF are maintained at a diameter of 40-50 μm or less.

  • 中村 淳史, 菊田 雅宏
    2019 年 46 巻 2 号 p. 125-130
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/03
    ジャーナル フリー

    人工心肺(cardiopulmonary bypass:CPB)回路内の微小気泡は静脈リザーバや人工肺などで捕捉され、最終的に動脈フィルタ(arterial line filter:ALF)によりガス状微小塞栓(gaseous micro-emboli:GME)が生体へ送られるのを防いでいる。本研究ではポアサイズが40μm(PS40)と20μm(PS20)のALFについて、平均気泡径が50μm、100μm、180μmの気泡群をALFに流入させ、気泡サイズの違いによるALFのGME除去能力について検討した。

    各大きさの気泡群において気泡数除去率は(50μm:PS40=44.5±0.7%、PS20=56.1±0.6%、P<0.001)、(100μm:PS40=13.7±1.9%、PS20=9.9±3.8%、P=0.205)、(180μm:PS40=-7.0±1.5%、PS20=-29.3±1.8%、P<0.001)となった。気泡収縮率と気泡体積除去率は有意にPS20が高かった。

    気泡サイズが大きいほど、気泡内圧が小さくなるため、気泡が変形・分裂しやすくなると考えられた。そのため、ALFに流入する全ての気泡を40~50μm以下に抑えることがGME除去能力を高くすることが示唆された。

  • 永田 和之, 中島 康佑, 平岡 有努, 有道 真久, 大下 智也, 村木 亮介, 内藤 善隆, 姫野 麻菜美, 坂口 太一
    2019 年 46 巻 2 号 p. 131-138
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/03
    ジャーナル フリー

    【背景】心臓外科手術後に術後高次脳機能障害(postoperative cognitive dysfunction:POCD)が発生することが知られており、その原因の一つとして人工心肺が関係するとの報告がある。

    【方法】人工心肺を使用した心臓弁膜症手術において術前・術後の認知機能テストを施行し得た連続160例を対象とした。術前後に4種類の認知機能検査を行い、少なくとも1つにおいて術後のポイントが20%以上低下するか評価困難な場合にPOCDと判定した。POCD発症に関連する因子を多変量解析にて検討した。

    【結果】POCDを発症したのは49例(30.6%)であった。発症群と非発症群を比較検討したところ、発症群は有意に年齢が高く、認知症と高血圧の既往が多く、HbA1c値が高値であった。また、発症群は人工心肺中の復温時間が有意に短く、復温時の灌流指標(Perfusion Index:P・I)、ヘモグロビン値、酸素供給量(DO2i)が有意に低かった。術後経過に関しては、発症群は有意に術後最高血清クレアチニン(Cr)値、術前後血清クレアチニン(Cr)値上昇幅が高く、術後挿管時間、ICU滞在日数、入院日数が長かった。多変量解析の結果、年齢(cut off値=72歳、AUC=0.71、OR=6.09、CI=2.40-15.5、P=0.0021)および35℃復温時のDO2i(cut off値=276mL/min/m2、AUC=0.79、OR=9.28、CI=4.22-20.4、P<0.0001)がPOCD発症の独立した危険因子であった。

    【考察】心臓手術後のPOCDは認知能力の低下だけでなく、術後経過に悪影響を及ぼす。特に高齢者の人工心肺管理においては、復温時のDO2iを適正に維持することが重要と考えられた。

    【結語】心臓手術後POCD発症の要因として、年齢および人工心肺復温時DO2iの関連が示唆された。

研究論文
  • 岡本 大輔, 河内 充, 監物 康弘, 早田 博行, 井上 明元, 深津 達弥, 泉宮 謙太, 難波 秀樹
    2019 年 46 巻 2 号 p. 139-144
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/07/03
    ジャーナル フリー

    近赤外線分光法(near infrared spectroscopy:NIRS)は、心臓および胸部大血管手術における周術期の脳循環代謝モニタリングとして使用される。今回、維持透析患者の病態生理がNIRS測定値へ与える影響と要因について非透析患者と比較しRetrospectiveに検討した。その結果、維持透析患者の局所的組織酸素飽和度(regional oxygen saturation:rSO2)は非透析患者より有意に低値を示した。手術開始時のヘマトクリット(hematocrit:Hct)値は維持透析患者が有意に低値を示したが、rSO2との相関を維持透析患者のみで認めなかった。また、rSO2と透析年数に負の相関を認めたが、年齢には維持透析患者のみで相関を認めなかった。さらに維持透析患者においては、rSO2と脳脊髄液層(cerebrospinal fluid layer:CSF layer)の幅に負の相関を認めた。今回の結果が、維持透析が脳の萎縮に影響を与えているとの報告と同様の変化を示していることから、維持透析による脳萎縮が脳脊髄液層の厚みに変化を与え、NIRS測定値が非透析患者と比較して低値を示したと推察される。

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