人工心肺の安全管理の観点から、ローラポンプの圧閉度の数値化を目指し、定流量注入圧法(fixed flow rate - injection pressure method:FIP法)を考案した。圧閉部にシリンジポンプで充填液の一部を注入したときの圧閉部前後の圧力差をFIP法による圧閉度と定義する。今回、FIP法の基礎実験として、JIS規格に基づき適正に調整した圧閉部に、調整時の漏れと同じ流量で水を注入し注入圧を記録した。5回の実験の注入流量は0.40~0.65mL/minであった。注入圧は注入開始から急峻に上昇、続けて圧上昇は緩徐となり(緩徐相)、その後は時間に比例して微増を続けた(微増相)。緩徐相から微増相への移行点の平均注入圧は79.8±14.5mmHgであり、注入流量が0.44~0.65mL/minの実験の平均は73.5±4.2mmHgであった。JIS規格の適正圧閉ならば、圧閉部前後の100cmH2O(73.5mmHg)の圧力差により0.33~0.67mL/minの漏れ流量を生じることから、FIP法によりJIS規格と整合性のある圧閉度の計測値を得られることが示唆された。今後、FIP法の臨床導入に向けての基礎研究を継続する。