抄録
体外循環中に気道出血をきたし,人工心肺からの離脱ができず,ヘパリンコーティングシステムを用いて,体外式心肺補助を行った。体外循環終了時の血行動態は良好であったが,SaO2が80%となり,気管チューブより血液が吸引されるようになったため,再ECC人工心肺からの離脱ができないため止血後,遠心ポンプによる当センター式小児補助循環回路を用い補助循環を開始した。ICU入室後満足すべき心肺補助効果を得ていたが,ACT200前後の管理下では気道出血は止まらず,術後3日目よりヘパリンコーティングシステムに交換,ACT120前後で維持した結果,気道出血は止まり血行動態も良好であった。