抄録
我々は第22回日本体外循環技術研究会大会において,従来の人工心肺回路とヘパリンコーティング(イオン結合)人工心肺回路の比較検討を行い,その有用性について報告した。そこで今回,共有結合ヘパリンコーティング人工心肺回路を使用し,イオン結合と共有結合を中心にTAT・PIC・遊離ヘモグロビン・血小板数・ヘパリン溶出量について検討した。TAT・PIC・遊離ヘモグロビン・血小板数においては,コーティング方式の違いによる有意差は認めなかった。ヘパリン溶出量においては,共有結合に比べてイオン結合で有意に高濃度の溶出を認めた。