体外循環技術
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センシング閾値測定時の問題点
―PSA使用による注意点―
大島 浩鬼頭 修
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1999 年 26 巻 2 号 p. 31-34

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抄録
近年ペースメーカ(PM)のsensing levelは,0.1mvまでの高感度の時代に入った。しかし,PM植え込み手術時のpacemaker system analyzer(PSA)でのセンシング閾値測定値と,植え込み直後のPM本体からの測定値との間に,しばしば大小の開きが観察されることがあり,PMの安全な植え込みと正確な評価に,大きな影響を与える現象の解析を試みた。解析には,正および負のサイン2乗波を使い,各PSA(3種類),各PM(5種類)のセンシング感度を測定し,感度特性曲線を作成した。その結果,PSAとPMの感度特性が心室,心房両チャンネルともほぼ一致していたのは1社のみであった。各種PSAおよびPMの感度特性はそれぞれ独自のものを有していた。そのため,それぞれのPMの感度特性に一致するPSAの開発が待たれる。現在のペーシング治療では,PMとPSAのテスト波形や感度特性が一致していない場合があることを考慮し,植え込み後には必ずPM本体でも閾値を測定し,予期せぬ事態に備える必要がある。
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© 日本体外循環技術医学会
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