体外循環技術
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生体適合性の面からみた低侵襲体外循環の基礎的検討
― コーティングおよび遠心ポンプによる低侵襲化襲―
伊藤 康宏日比谷 信石川 隆志山内 章弘海江田 章豊崎 正人三澤 健治石川 正敏杉森 美幸山本 賢榊原 未和井平 勝山下 満服部 良信渡邉 浩次児玉 泰
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2005 年 32 巻 1 号 p. 7-10

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抄録

(要旨)Off pump CABGが行われる理由の一つに,体外循環は生体に対する侵襲が大きいことが挙げられる。今回,体外循環の低侵襲化への基礎的検討として,(1) 回路用チューブのコーティングの可塑剤溶出抑制効果,(2) サイトカインなどの生体物質の誘導抑制効果,(3) ローラーポンプと遠心ポンプの術後入院日数の比較の(3) 点について検討した。チューブのコーティングでは,ヘパリンコート,Xコートがフタル酸ジ2-エチルヘキシル溶出抑制に有効であった。生体物質の血中誘導抑制にはコーティングより遠心ポンプ使用が有効であった。更に遠心ポンプの使用により術後入院日数は,ローラポンプより短縮した。生体適合性を付与するためのコーティング回路や遠心ポンプの使用は,低侵襲体外循環としてある程度の効果が認められると考えられた。

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© 日本体外循環技術医学会
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