体外循環技術
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弓部全置換(proximal first法)における体外循環の経験
福井 啓介酒井 裕紀
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2005 年 32 巻 2 号 p. 197-198

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抄録
【要旨】弓部大動脈人工血管置換術は,弓部分枝の再建が必要となる手術手技である。そのため,分枝再建時に起こりうる脳の低灌流,debrisによる脳梗塞を予防することは必須である。今回,中枢,弓部分枝,末梢の順で吻合することにより,弓部3分枝への直接カニュレーションによる選択的脳分離循環を施行しない体外循環法を経験した。各部位の虚血時間は,右総頸動脈は虚血時間0分。左総頚動脈17.6分,左鎖骨下動脈41.8分,下行大動脈41,6分,冠動脈70.6分であった。今回の手技は,送血管の挿入ならびに選択的脳灌流によるジェット流(乱流)が原因とされる脳梗塞の可能性が減少すると考えられる。また,超低体温循環停止併用時の体外循環法としては,脳分離体外循環の煩雑さもなく,順行性かつ層流の脳灌流が実現できたと考えられる。
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© 日本体外循環技術医学会
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