てんかん研究
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症例報告
前頭葉起源の部分発作がみられたinv dup(15)モザイクの1症例
武田 洋司白木 淳子伊藤 ますみ中村 文裕
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2004 年 22 巻 1 号 p. 3-8

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抄録

inverted duplication of chromosome 15(inv dup[15])は、近年、難治性てんかんの病因として注目されているが、発作症状や発作型などてんかん発作の詳細については未だ不明な点が多い。今回、われわれは前頭葉起源の部分発作を伴う、inv dup(15)モザイクの症例を経験した。
 症例は、30歳男性。重度の精神遅滞があり、7歳時より強直発作、次いで欠神発作がみられた。12歳時に全般発作は消失したが、15歳時より、複雑な運動性の自動症を伴う複雑部分発作が出現し、前頭葉起源と考えられた。染色体検査では、[47, XY, +idic(15)(q13)]、[47, XY, +idic(15)(q11)]、(46, XY)、の3種類の核型のモザイクであった。本症例の特異な経過は、inv dup(15)モザイクと関係している可能性が示唆された。

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© 2004 日本てんかん学会
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