てんかん研究
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原著
ラモトリギンの難治てんかんに対する単盲検比較試験―ゾニサミドを対照とした小児第III相比較試験
大田原 俊輔飯沼 一宇藤原 建樹山磨 康子
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2008 年 25 巻 4 号 p. 425-440

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抄録
ラモトリギン(LTG)の小児難治てんかんに対する効果を検討するため、ゾニサミド(ZNS)を対照とする単盲検法で、LTGまたはZNSを12週間、既存の抗てんかん薬に付加投与し、有効性と有用性を168例、安全性を169例で比較解析した。最終全般改善率はLTG群44%、ZNS群24%で、LTGのZNSに対する非劣性が検証された。Lennox-Gastaut症候群の全般発作に対するLTGの発作半減効果は39%で、ZNS群の13%に比し有意に高かった。有害事象発現率は、LTG群43%、ZNS群54%で、両群ともに傾眠が多かった。因果関係が疑われた重篤な副作用は、LTG群のてんかん発作増悪とStevens-Johnson症候群の各1例であった。LTG群の48%、ZNS群の39%が「安全」と評価されたが、有意差はなかった。LTG群の38%、ZNS群の22%が有効性と安全性を総合して「有用」と判定され、LTG群で有意に高く(p=0.0287)、LGSを含む小児の難治てんかん治療におけるLTGの意義が明らかになった。
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© 2008 日本てんかん学会
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