抄録
一側性眼瞼瞬目は側頭葉てんかんの発作症状のひとつとされているまれな発作症状である。我々は、右眼瞼瞬目から始まり同側の四肢の自動症に移行する右外側側頭葉てんかんの1例を経験した。発作は過呼吸により誘発された。発作間欠期の脳波検査では明らかな異常は認めなかったが、頭部MRI、MEG、IMZ-SPECTで右側頭葉外側に一致したてんかん原性域を認めた。MEGでは発作の進展に伴い右中心前回にspike dipoleの集積を認めた。本症例で見られた右眼瞼瞬目の機序については、右焦点発作活動により、左脳が開放されて生じた自動症ではないかと考察した。