抄録
脳波のてんかん性異常は分析をすることで、視察的判読だけでは分からない重要な情報が得られる。脳波分析において重要なのは直感的理解であり、それには必ずしも数学的詳細は要しない。まず分析に先立ち元々アナログデータである脳波信号をデジタルサンプリングするが、高い周波数の信号を分析するためには充分高いサンプリング周波数が必要である。周波数分析は脳波分析の基本であり、特に高周波活動の解析には時間・周波数分析が有用である。また棘波の頭皮上電位分布は発生源を反映し、その位置の推定には古典的な双極導出法の位相逆転や双極子発生源モデルとその応用等の様々な分析が用いられる。脳波に含まれる脳機能に関する重要な情報が、分析により充分活用されることを願う。