てんかん研究
Online ISSN : 1347-5509
Print ISSN : 0912-0890
ISSN-L : 0912-0890
成人Lennox-Gastaut症候群70例の臨床的研究
八木 和一森川 建基藤原 建樹大沢 武志清野 昌一和田 豊治
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 1 巻 1 号 p. 23-30

詳細
抄録
成人Lennox-Gastaut (L-G) 症候群70例の臨床特性を検討した。てんかん初発年齢はその80%強が8歳以後で, 平均11.3±4.9歳であり, L-G症候群発病推定年齢は平均16.9歳であった。中枢神経疾患の陽性既往歴は51%で, その主体は脳症および周産期障害であった。臨床発作型は, 強直発作94%, 非定型欠神81%, 脱力発作59%, “astatic seizuye”47%, 強直一間代発作17%であった。脳波上α活動は46%, 半球性および局在性の徐波ないし遅い棘徐波は29%, sustained rapid spikesは87%にみられた。CT異常所見は80%にみられ, 70%は全汎性萎縮像であった。L-G症候群は, てんかん初発8歳未満の早発型と8歳以後の遅発型に分類することが臨床てんかん学上の意義があるものと考えられる。
著者関連情報
© 日本てんかん学会
前の記事 次の記事
feedback
Top