抄録
ACTH療法施行後3年以上経過観察した37例の小児難治てんかん症例について, ACTH療法中の発作ならびに脳波の改善度とACTH療法終了後の発作再発との関連について検討した。37例のACTH療法時のてんかん分類は潜因性West症候群 (WS) 2例, 症候性WS20例, Lennox-Gastaut症候群2例, その他の症候性全般てんかん12例, 症候性部分てんかん1例であった。ACTH療法によって発作が消失した症例は25例 (このうちACTH療法終了後の再発16例), ACTH療法中の再発は2例, ACTH療法によって発作が消失しなかったものは10例であった。ACTH療法開始日から発作消失までの期間と終了後の再発までの期間との間には関連は認められなかったが, ACTH療法中に発作が消失しなかった症例はその後の抗てんかん剤の治療によっても発作の抑制は得られなかった。ACTH療法開始後4週以内の脳波でてんかん性放電が消失した症例は, それが残存している症例に比べて発作の抑制が長期に及ぶものが多かった。これらの結果はACTH療法の長期有効性を得るにはACTH療法中のてんかん性放電の消失が必要なことが多いことを示しているとともに, それ以外の症例はたとえ発作が一時的に消失しても早晩再発する可能性が高いことを意味している。また, ACTH療法の有効性と限界の判定は福山の方式による連日2週間投与終了時にある程度は可能であることを考察した。