てんかん研究
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てんかん重積状態後にWest症候群を発病した1例
渡辺 みづほ高橋 幸利平野 明子寺田 知新山本 裕加藤 義弘磯貝 光治三輪 由香近藤 直実
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1999 年 17 巻 3 号 p. 173-179

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抄録

てんかん重積状態の2カ月後にWest症候群を発病した1例を経験した。発作問欠時脳波では、てんかん重積状態の約1カ月後に多焦点性の棘波が出現、2カ月後にはヒプスアリスミアを呈するようになり、それとともにepileptic spasmsが出現した。West症候群発病時のMRI (magnetic resonance imaging) では両側前頭葉を中心とした軽度の脳萎縮が出現、発作間欠時SPECT (single photon-emission computed tomography) でも両側前頭葉の血流低下が見られた。発作はビタミンB6投与によって消失した。West症候群発病前の精神運動発達は正常であったが、その後軽度の言語発達遅滞が出現してきている。生後11カ月のてんかん重積状態がWest症候群の発病に寄与した可能性が考えられた。

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