てんかん研究
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電撃けいれん閾値に対する抗てんかん薬の作用
モノアミンおよびγ-アミノ酪酸を対象として
三根 浩一郎
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1987 年 5 巻 2 号 p. 138-146

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抄録
各種薬剤によってラット腹腔内前処置を行いけいれん閾値を低下させた後, 側脳室と交通する植えこみカニューレを通じ抗てんかん薬を投与し, その電撃けいれん閾値の変化を測定した。α-methyl-p-tyrosine (α-MT) 処理後DN-1417, VPA, PBが, p-chlorophenylalaninc (PCPA) 処理後DN-1417が, allylglycine処理後VPA, PBがけいれん閾値の上昇を示した。PHTはいずれの場合にもけいれん閾値の変化を示さなかった。PCPA処理後にDN-1417を側脳室内投与し, HPLCによって側坐核, 線条体のDA, 5-HTおよびその代謝産物を測定した。DN-1417はPCPA投与により減少させたDOPACを増量させた。PCPA処理は5-HT系に選択的作用を有し, DN-1417の作用としては5-HT系よりはDA系の遊離促進が関与していることが示唆された。
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© 日本てんかん学会
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