当院およびその関連施設の小児科外来に受診中の患者で, (1) 10歳未満てんかん発症, (2) 10年以上外来通院, (3) 現在20歳以上, の3条件のすべてを満足する例を社会適応良好 (A) 群63例, 社会適応障害 (B) 群36例に分け, てんかんの長期予後を検討した。A, B群の発作 残存率はそれぞれ11%, 56%である。大学に在学中のものはA群22例, B群1例, 就職しているものは, A群37例 (59%), B群23例 (64%) で, 8群は全例単純な作業に従事している。社会適応の予後に関連する因子は, 初発年齢, 基礎疾患, 神経・発達異常, てんかん類型, 発作頻度であり, けいれんの予後に関連する因子もほぼ同様である。