てんかん研究
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高齢てんかん患者の臨床特性
濱田 耕一須江 洋成小林 伸一森川 建基八木 和一清野 昌一
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1988 年 6 巻 2 号 p. 181-187

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抄録
50歳以上の高齢てんかん患者109名について, その臨床経過, 社会的現況を検討した。対象群の発病年齢は平均24.7歳, 罹病期間は平均32.6年で, 慢性経過をとった患者が多い傾向がうかがわれた。
診断の内訳は, 側頭葉てんかんを主体とする症候性局在関連性てんかんが74.3%を占め, 次いで特発性全般てんかんが19.3%認められた。発作予後はおおむね良好と見なされたが, 難治例が22%を占め, その多くは複雑部分発作をもつ側頭葉てんかんであった。
また社会適応は約90%の患者で比較的良好であったが, 身体障害, 知能障害, 精神症状等を合併するため社会的保護が必要と考えられる例も10%認められた。
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© 日本てんかん学会
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