日本食品化学学会誌
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論文
遺伝子組換え大豆から製造された加工食品におけるDNA断片化
小笠原 健荒川 史博穐山 浩合田 幸広小関 良宏
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2003 年 10 巻 3 号 p. 155-160

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抄録

さまざまな大豆加工食品における組換え遺伝子の音量とDNA断片化の程度を調べることにより、厚生労働省により通知された公定法記載の定量PCR法の加工食品への適用可能性について検証した。豆腐のように100℃程度で加熱加工された場合は、適用できることがわかった。しかし、市販されている加工食品のように加熱され、物理的力が更にかかるオートクレーブ処理などが行われた場合、あるいは発酵食品の場合、100bp程度までDNAの厳しい断片化が引き起こされることが明らかとなった。従って、これらの加工食品中の遺伝子組換え大豆の定量を行うには95bpより短いプライマー、プローブを開発する必要があると考えられた。

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© 2003 日本食品化学学会
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