日本食品化学学会誌
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論文
ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットおよび高コレステロール血症ラットに及ぼす各種オリゴ糖とAgaricus Blazei Murill粉末試料の影響
江頭 祐嘉合土岐 理津子野口 武昭真田 宏夫
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2004 年 11 巻 1 号 p. 1-6

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抄録
特定保健用食品素材として広く使用されているラクチュロース、フラクドオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖および健康食品素材であるアガリクスが糖尿病および高コレステロール血症時に及ぼす影響を、血中成分値を指標に検討した。1.糖尿病時の健康食品素材の影響 ストレプトゾトシンをラットの腹腔内に注射し、糖尿病モデルを作成し、その後10日間特定保健用食品素材および健康食品素材を自由に摂取させた。その結果、試験飼料投与による体重増加量、屠体重に対する肝臓重量比に有意な差は認められなかった。血清コレステロール値は、イソマルトオリゴ糖はプラクトオリゴ糖群より有意に低い値を示した。血糖値、コレステロール値、A/G比、クレアチニン濃度は、各群間で有意な差は認められずこれらの食品素材は、この実験条件下で検討した項目に関しては糖尿病を増悪させることはなかった。2.高コレステロール血症時の健康食品素材の影響 ラットに高コレステロール食を投与しコレステロール値を上昇させ、その後10日間特定保健用食品素材と健康食品素材を自由に摂取させた。そして高コレステロール血症を増悪させるか否か検討した。その結果、アガリクス群は対照群に比し、有意に血清トリグリセリドを減少させた。この実験条件下で検討した項目に関してはこれらの食品素材は、高コレステロール血症を増悪させることはなかった。
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© 2004 日本食品化学学会
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