日本食品化学学会誌
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総説
食品や飲料中のプロアントシアニジン類とタンニン様物質の構造と生理機能性
庄司 俊彦
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2008 年 15 巻 2 号 p. 57-66

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抄録

分子内に水酸基を多数持つ高分子型ポリフェノールであるプロアントシアニジン類やタンニン様物質は食品や飲料において苦味成分や色素成分として存在する植物由来成分である。それらの含有量、組成、化学的・物理的性質に関する知見は分析方法の発展にともなって増加してきた。また、最近では抗酸化性などの機能性の分野において注目すべき多くの研究が行われている。しかしながら、これらの物質の吸収動態やその機能性のメカニズムに関する知見はまだ十分とは言い難い。この総説では、プロアントシアニジンやタンニン様物質の化学的、構造的な特徴をまず簡単に述べる。次に、それらの機能性や吸収動態について概説し、機能性のメカニズムを考察する際の重要な要因と考えられるプロシアニジン類の立体構造、特に重合度と機能性との関係について解説する。

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© 2008 日本食品化学学会
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