日本食品化学学会誌
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シクロデキストリン結合型カラムによる茶カテキンのHPLC挙動
奥村 寿子池田 豊一谷 正己瀧原 孝宣栗山 尚浩中島 多恵子小路 庸子国本 浩喜
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2009 年 16 巻 3 号 p. 152-156

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抄録

α-、β-、γ-シクロデキストリン(CD)結合型カラムを用いて、緑茶カテキンの逆相系HPLCの溶出挙動を検討した。β-CDカラムを用いると50分以内に8種類の緑茶カテキンが分離し、保持時間の順序は(-)-epigallocatechin(EGC)<(-)-epicatechin(EC)<(-)-gallocatechin(GC)<(+)-catechin(C)<(-)-epigallocatechin gallate(EGCg)=(-)-epicatechin gallate(ECg)<(-)-gallocatechin gallate(GCg)<(-)-catechin gallate(Cg)となった。α-およびγ-CDカラムでは、保持時間が短くなり、分離度が低下した。1-adamantanolの移動性への添加効果を合わせて考えると、この結果は、カテキンのCDキャビティへの包接がクロマログラフィーの保持と分離に重要な働きをしていることを示している。保持時間の温度依存性から、van't Hoffの式に基づき熱力学的パラメーターを求めた。β-CDカラムのΔH0はγ-CDに比べ、すべてのカテキンに対してより低い値を与えた。

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© 2009 日本食品化学学会
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