1998 年 5 巻 2 号 p. 140-145
タマリンド色素ココアブラウン[TRSP(B)]の0(基礎試料)、1.25、2.5および5.0%濃度の混合飼料を1群雌雄各10匹のSpargue-Dawley系SPFラット[Crj:CD(SD)]に90日間自由に摂取させ、その反復経口投与による毒性を検討した結果、以下の知見を得た。なお、投与期間中の被験物質平均摂取量は、1.25、2.5および5.0%群の雄でそれぞれ803.2、1669.2および3278.1 mg/kg/day、雌でそれぞれ941.0、1854.2および3885.1 mg/kg/dayであった。投与期間を通じて死亡はみられず、また、一般状態、体重、摂餌量、飼料効率、眼科学検査、尿検査、血液学検査、血液化学検査および病理学検査においても被験物質投与に起因する変化は認められなかった。以上の結果より、雌雄のラットにタマリンド色素ココアブラウン[TRSP(B)]の90日間反復経口投与による明らかな毒性学的影響は観察されなかった。さらに、本試験におけるTRSP(B)の無毒性量は、雌雄ともに混餌投与における最大濃度の5.0%(雄: 3278.1 mg/kg/day、雌: 3885.1 mg/kg/day)と推定された。