日本食品化学学会誌
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論文
咽頭上気道細菌に対する精油及びオレオレジンの抗菌活性
田中 康雄菊崎 泰枝中谷 延二
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2002 年 9 巻 2 号 p. 67-76

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抄録

精油50種類及びオレオレジン24種類について咽頭上気道細菌、Streptococcus pyogenesHaemophilus influenzaeMoraxella catarrhalisに対する抗菌試験を行った。精油の中ではシナモンリーフ、セージ、クローブ、カルダモン、タイムに効果がみられ、オレオレジンではイチョウ、甘草、ナツメグに抗菌性が見られた。さらに代表的な精油成分より45種の揮発性化合物を選択し抗菌活性を調べた。精油成分の中ではcarvacrol、methyl chavicol、bornyl acetate、menthyl acetate、α-terpinyl acetate、viridiflorolに効果がみられた。カルダモン、ローレル、メリッサ精油と同様に3種の主要な成分geranyl acetate, menthyl acetate, α-terpinyl acetateは上気道微生物に対して有効な抗菌性成分となり得ることが示唆された。抗菌活性を示したシナモンリーフ油およびクローブ油の主成分eugenolは単独ではほとんど活性が認められなかったが、β-Caryophylleneに対してeugenolは優れた相乗効果を示すことが認められた。

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© 2002 日本食品化学学会
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