森林利用学会誌
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論文
動画データによる作業道の三次元点群データの構築
瀧 誠志郎中澤 昌彦斎藤 仁志大野 勝正鈴木 秀典吉田 智佳史千原 敬也図子 光太郎
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2020 年 35 巻 4 号 論文ID: 35.203

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抄録

一般的にSfM(Structure from Motion)では,主に多視点から撮影された複数枚の静止画像が用いられる。このため静止画を撮影する際には,撮影のたびに立ち止まり,OL(オーバーラップ)率やSL(サイドラップ)率に常に注意しながらの撮影が必要となり,撮影手法が煩雑である。本研究では,作業道の三次元点群データ化のための簡易的な撮影手法を明らかにすることを目的とし,作業道においてデジタルビデオカメラによる歩きながら撮影した動画データを基に,三次元点群データの構築を試みた。この結果,撮影した動画からフレームごとに抽出した180枚の静止画像から,SfM処理ソフトにより詳細な三次元点群を構築することができた。この際,品質等による画像の選別やマニュアルでキーポイントを設定することなく,すべての画像を自動で合成することができた。この結果から,作業道の三次元点群データの構築のための簡易的な手法として,動画撮影が活用できる可能性が明らかとなった。またこの結果を基にPC上で簡易的な出来形測量を行い,縦断図および横断図を作成し,動画を基にした点群データの再現性や動画撮影時の留意点を明らかにした。

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