森林利用研究会誌
Online ISSN : 2432-5996
Print ISSN : 0912-960X
論文
数値地形図を用いた路線探索のアルゴリズムについて
酒井 徹朗
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 10 巻 3 号 p. 225-231

詳細
抄録
数値地形図を用いた路線計画システムにおける2つの路線探索アルゴリズムについて検討した。ひとつは始点から一定勾配の路線探索,他は任意の2点間を結ぶ路線探索である。前者は始点を中心とする一定半径の円周上に通過点を探索し,それを新たな始点として次の通過点を探索する。この方法では正確に指定勾配とおりの路線が探索できた。探索円100m,方位数16,分割数10の値で充分効率よく探索できることがわかった。後者は始終点間を結ぶ直線の垂直2等分線上に,その中間の高さに相当する点を探索し,その点を新たな仮の終点とし,始点と仮の終点の2点間の距離が指定された値以下になるまで繰り返す。最後に求められた中間点を通過点とし,その点を新たな始点として探索を繰り返す。この方法では始終点間の標高差が大きいほど通過点間の勾配の分布がばらつき,小さいほど一様になる。また,地形や探索制御要因の値により探索が失敗する場合もある。前者の方法と組み合わせれば,2点間を結ぶ一様な勾配の路線を探索できる。まだ幾つかの改良点はあるが充分計画支援に利用できる。
著者関連情報
© 1995 森林利用学会
前の記事 次の記事
feedback
Top