下刈作業用機械の開発の方向性や,具備すべき性能を検討するために,林地傾斜,土壌支持力,苗木,伐根,地拵え,倒木,下層植生の現地調査を行った。その結果,以下に示す適応条件を得た。下刈作業用機械は,(1)姿勢制御機構が必要である。(2)不連続設置型で,設置位置を選択できる機構が必要である。(3)機体の大きさは,機体の転倒や苗木への損傷を防ぐ点から苗木間走行ができる長さ150cm以内,幅60cm程度が望ましい。(4)伐根の斜面下側の高さと倒木の最大直径は,40cm以内の頻度が高いことから,乗り越え性能は40cm以上必要である。(5)枝葉の成長は,斜面下側が良く,等高線方向への移動は枝葉の回避や機体の横滑りから機体下側の苗木をひき倒す,根系を圧迫するなどが予想される。また,倒木は最急勾配方向へ倒れている割合が高く,走行への大きな障害となることが予想されるので最急勾配方向への移動が望ましい。
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