森林計画学会誌
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Print ISSN : 0917-2017
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高精度森林資源情報の取得に向けた各種計測装置の精度検証
松村 直人有田 貴洋廣瀬 裕基沼本 晋也島田 博匡野村 久子
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2020 年 54 巻 1 号 p. 55-61

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抄録

松村直人・有田貴洋・廣瀬裕基・沼本晋也・島田博匡・野村久子:高精度森林資源情報の取得に向けた各種計測装置の精度検証,森林計画誌54:55~61,2020 樹木の大きさを決定するためには,一般的に樹高と胸高直径が必要とされている。これらの森林情報をより効率的に,そして安価に取得するために「航空レーザ計測」「ドローン写真計測」「地上レーザ計測(TLS)」を実行,比較して,各計測方法の特性を把握し,今後の森林情報の効率的取得について検討した。なお,TLS計測については,性能の異なる2機種(OWL,FARO)を用いた。TLS計測では胸高直径のより直接的な計測が可能であるため,胸高直径の2乗平均平方根誤差(RMSE)は機種OWLで1.1cm,機種FAROで1.3cm と各計測方法の中で最も計測精度の高い結果が得られた。しかし,樹高精度は樹頂点にレーザが届きにくいため,RMSEは機種OWLで2.9m,機種FAROで1.8m とドローン写真計測1.2m と比べ大きくなった。作業時間と費用比較においても,これら計測装置の活用で,1/5から1/50の大幅な効率化とコスト削減が期待できた。

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