林學會雑誌
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運材用インクライン
渡邊 治人
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1930 年 12 巻 5 号 p. 282-304

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抄録

運材用インクラインの理論を述べ、各部の設計に必要なる公式を擧げ、之が計算例に及ぶ。終始御懇篤なる御指導を賜はりし中村猪市先生に、謹みて深謝の意を表す。
運材用インクラインの設計順序を列記すれば、次の如し。
(1) 地形、運搬量、經費、利用程度等より判斷して、軌道及索條の様式と大きさを選ぶ。
(2) 自働轉送角を求め、之を參考にして、路線の施工基面を定め、軌道に就いての設計を爲す。
(3) 平均勾配に於ける索條の張力を求めて、索條の大きさを定め、最急勾配に就きて檢定を行ひ、索條の安全なる大きさを決定す。
(4) ドラムに、索條を巻絡せしむべき囘數を求む。
(5) 運轉に要する馬力を求め、必要なる時は原動機の馬力を定め、更に索條の爲し得べき馬力を求めて檢定を爲す。
(6) 受索轉子間の距離を求め、轉子の設計を爲す。
(7) ドラムに關する設計を爲す。
(8) 制動に關する設計を爲す。
(9) 基礎、取附枠其他附屬品一切の設計を爲す。

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