林學會雑誌
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椎樹各部ニ於ケル纎維長及ビ灰分量ノ比較殊ニさにおノ法則ニ關スル研究(續)
重松 義則
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1926 年 1926 巻 34 号 p. 88-105

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抄録

一、椎樹ニハ、繊維長ニ關スルさにおノ法則ガ適合ス。
二、繊維長ニ對シテ、樹幹側面ノ表裏ノ影響ハ、可ナリ顯著デアツタ。
三、樹木生長ト繊維長ニハ、相關々係ガ認メラレタ。
四、枝節ノ多イ樹幹部分ニハ、繊維長ノ増減ニ異常ガアル。
五、春材部カラ現ハレル繊維長ハ、秋材部ノソレヨリ短小デ且ツ齊一デアツタ。亦樹幹斷面デハ、髓心部附近ノ年輪ニ於テモ同様ニ繊維長ハ短小デ、齊一ナルモノガ現ハレタ。
六、樹幹ノ諸部ニ於テ、可ナリ最近ニ形成セラレタ同一年生年輪ノ灰分含有率ニハ大差ガナク、亦一横斷面内ノ各年輪デハ、髓心部附近ガ含有率最小デ、樹皮ニ接近スル程増加シ樹皮ハ特ニ大デアル、尚樹木生長量ト灰分含有率トハ相反スト云フ説ヲ確メ得タ。
擱筆ニ當ツテ、此ノ實驗ヲ終始懇ロニ指導セラレ、亦御所藏ノ多數ノ參考書ノ閲覧ヲ快ク許サレタ、恩師藤岡博士ニ深ク感謝スル次第デアリマス。尚之等ノ參考文献ヲ次ニ掲ゲテ、同好ノ士ニ博士ノ甚大ナル恩惠ノ一端ヲ頒チ度イト考ヘマス。

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