2019 年 31 巻 3 号 p. 258-265
心因性非てんかん性発作(psychogenic non-epileptic seizures,以下PNES)とは,てんかん発作に類似した病態で,脳の異常な電気的興奮はなく,心理的要因が推測される発作である。長時間ビデオ脳波検査により臨床医はPNESを診断しやすくなったが,その治療法は未だ確立されていない。特に知的障害をもつPNES患者への介入研究は少なく,治療に難渋することも多い。当該患者に対し,認知行動療法(cognitive-behavioral therapy,以下CBT)に基づき知的障害に配慮して作成した独自のテキストブックを用いて集団精神療法を行い,その有用性を検討した。5人の患者が研究に参加し,すべての患者が週2回,全3週間のセッションに参加した。全例,セッション終了直後のPNESは消失・抑制された。この結果より,知的障害でPNESをもつ患者において,CBTに基づく集団精神療法が効果的であることが示唆された。PNESは個々の問題に配慮しながらの介入が必要であり,今後,般化に向けたさらなる取り組みが必要であると考える。