2020 年 32 巻 1 号 p. 25-32
自閉症スペクトラム(ASD)の症状改善に人型ロボットが有効である可能性を報告した。 ロボットを介したコミュニケーションでは,①ロボットには視線ベクトルが存在せず,情動を伴わないことから,ASDは恐怖をもつことがない。②ASDは言葉によるコミュニケーションに障害があるが,文字言語によるコミュニケーションでは改善し得る。③ASDは言葉によるコミュニケーションでは即答することが求められ,多くの整理されていない情報から必要な情報を選択し言葉として表出することが困難である。④ASDでは思考過程を視覚化し,キーボードなどを用いて,考えを整理し,内的思考の外在化と言語化することにより,コミュニケーション機能を向上させることができ,コミュニケーションの交互性から内容の改善が可能である。