2022 年 34 巻 4 号 p. 358-364
リエゾンナースの視点で,総合病院精神科/リエゾン精神科の魅力について述べた。コンサルテーション・リエゾン活動は,ケースごとに個別性が高く,患者の精神状態のみではなく,その背景要因や家族などの社会的背景,治療チームとの関係や意向などアセスメントの視点が多岐にわたり,帰納的なアプローチを繰り返すために,その活動の成果は可視化されにくい特徴がある。また,身体疾患治療においては,その過程で顕在化したストレス反応や精神症状は過小評価されやすい。しかし,コンサルテーション・リエゾン活動は,ナースにとって教育的な意味だけでなく,現場で困っているナースの孤立感を緩和したり,患者の精神症状が早期に緩和することへの貢献など波及効果もあると考える。