2022 年 34 巻 4 号 p. 371-377
日本総合病院精神医学会に求められる役割はきわめて多岐にわたるが,中でも若手精神科医のリクルートはきわめて重要な課題の一つと考えられる。これまで筆者は,せん妄に関する臨床・教育・研究活動に重点を置くことで,多くの若手精神科医にリエゾン精神医学のやりがいを伝えてきたつもりである。本稿では,筆者自身の歩みを振り返りながら,若手精神科医のリクルート方法について考察した。また,若手委員会のメンバーを対象として行ったアンケート調査では,若手精神科医のリクルートに関して,ロールモデルの存在が大きいことなどが明らかとなった。このアンケート調査の結果を踏まえ,リエゾン精神科医に求められる資質について,私見も交えて述べた。