日本消化器外科学会雑誌
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症例報告
胃原発扁平上皮癌の1例
大江 正士郎八木 俊和安東 勝宏高橋 玲
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2012 年 45 巻 4 号 p. 369-378

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抄録

 G-CSF高値を示した胃原発扁平上皮癌の1例を経験したので報告する.症例は66歳の男性で,全身倦怠感を主訴に来院し,内視鏡で胃上部後壁に約10cmの1型病変を指摘された.血清SCC抗原は130ng/mlと高値を示し,FDG-PETで肝S7に1.5cmの転移を認めた.G-CSF産生胃癌の術前診断で胃全摘,膵体尾脾切除,Roux-en Y再建術,肝S7部分切除術,胆囊摘出術を施行.病理組織学的診断はSquamous cell carcinoma pT4a(SE)pN0(0/27)pH1 pStage IV.現在,術後26か月間無再発生存中.G-CSF産生胃癌は低分化型腺癌に最も多く,次いで腺扁平上皮癌に多い.G-CSF産生腫瘍は組織型からは扁平上皮癌に多いが,胃の原発扁平上皮癌としては本例が最初である.

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