日本消化器外科学会雑誌
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症例報告
脾温存膵体尾部切除術術後に孤立性胃静脈瘤が発生した1例
金丸 理人小泉 大志村 国彦笹沼 英紀俵藤 正信佐田 尚宏安田 是和
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2013 年 46 巻 7 号 p. 487-493

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抄録

 症例は70歳の男性で,2008年9月,近医での血液検査にて肝機能障害を指摘され,精査目的に当科紹介受診し,膵管内乳頭粘液性腫瘍intraductal papillary-mucinous neoplasm(IPMN)と診断された.2009年6月,脾温存膵体尾部切除術(spleen-preserving distal pancreatectomy;SPDP)を施行した.術後第25病日に,ドレーンからの出血を認め,膵液瘻による胃十二指腸動脈瘤の破裂を認め,血管塞栓術を行い,術後第66病日で退院した.2009年11月(術後5か月),腹部CTを施行したところ,胃静脈瘤が描出された.上部消化管内視鏡検査でも穹隆部に孤立性の胃静脈瘤(Lg-cf,F2,Cb,RC(–))を確認できた.SPDP術後に脾静脈が閉塞し,孤立性胃静脈瘤が発生した1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.

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